宮城県気仙沼市出身のシンガー・ソングライター、畠山美由紀の約4年振りとなるオリジナル・アルバム。東日本大震災の被災者を支援するアルバムが多数制作されているが、被災地の出身者が自ら制作したアルバムは少ないのではないか。3月11日、畠山はライブリハーサルのため、下北沢のスタジオにいた。テレビに写る自分の故郷の無惨な様子を見て非常に痛ましく心がちぎれる思いだった。震災後、彼女は必死の想いで書き留めた故郷への想い、気仙沼の風景を読んだ「わが美しき故郷よ」と題した詩を書き下ろし、作曲も行った。本作では、その詩の朗読とボーカルがハイライトとなっており聴き手の心に強く響く。また、”What A Wonderful World”、”Moon River”、”Over The Rainbow”などスタンダードも明るい未来や幸福を願う情感に満ち溢れている。畠山の愛唱曲、”浜辺の歌”では笹子重治のガット・ギターとのデュオで再演、オーガニックな声が際立つ。共演では、トランペット/フリューゲルホーンの島裕介がいい味を出している。会心作。